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イベントのまとめと感想

博士後期課程向けキャリアパスガイダンス2026 レポート

2026.06.02

「博士卒ってことは、大学教員?」

博士課程に興味を持つ人や、現在進学している人の中には、このような疑問を抱いたことがある人も多いと思う。今回参加した「博士後期課程向けキャリアパスガイダンス2026」では、博士人材の多様なキャリアや、自分らしい進路を考えるためのヒントについて学ぶことができた。

 

▮「博士=大学教員」だけではない

最初にコーヒーブレークみたいな感じでワークを行ったのだが、その中で印象的だったのは、「知らないと選べない」という言葉である。博士課程修了後の進路として真っ先に思い浮かぶのは大学教員かもしれない。しかし実際には、公的研究機関、官公庁、民間企業、高専教員など、多様な進路が存在している。

また、職種も研究職だけに限らない。研究支援を行うURA、技術営業、コンサルタントなど、専門性を活かしながら別の立場で研究や社会に関わる仕事もあるという。

この話を聞いて、博士課程で培う力は「研究室の中だけ」で使われるものではなく、社会のさまざまな場面で求められているのだと感じた。

 

▮博士人材に求められる力とは

ガイダンスでは、「博士人材とは何か」という説明もあった。博士人材は、高度な専門知識を持つだけでなく、社会課題を解決し、新しい価値を生み出せる存在として期待されている。

特に重要だと紹介されていたのは、以下のような力である。

 

・高い専門性を獲得した経験

・課題設定力・課題解決力

・チームを動かすリーダーシップ

・研究と社会をつなげる力

 

研究では「答えのない問い」に向き合う場面が多い。その経験自体が、博士人材の大きな強みになるのだと思う。専門分野の知識の量・深さだけでなく、「どう考え、どう進めたか」というプロセスも重要なのだと感じた。

 

 

▮キャリアマッチングで大切なのは自己理解と他者理解

キャリアマッチングにおいては、自己理解と他者理解(=応募先)をすることが重要だという話も印象に残った。自分の強みを知り、それを応募先が求める形で伝える(表現する)ことで、より良いマッチングにつながるという。

博士課程では研究に集中しがちだが、自分の経験や能力を言語化する力も同じくらい重要なのかもしれない。

また、キャリアを考える上で役立つサイトとして「博士Compass」や「博士人材ロールモデル事例集」が紹介された。実際に博士号取得者が「自身のどのような強みを活かし、どのように活躍しているのか」を知ることで、自分の将来像をより具体的にイメージできそうだ。

 

▮偶然を待つのではなく、行動してみる

最後に紹介された、「個人のキャリアの8割は予想しない偶発的な出来事によって決まる」という考え方が強く印象に残っている。

一見すると運任せのようにも聞こえるが、重要なのは「偶然を計画的に起こすために行動すること」だという。イベントに参加する、人と話す、興味のある分野を調べる――そうした小さな行動が、将来の選択肢を広げるきっかけになる。

博士課程の進路に不安を感じる人も多いと思う。しかし今回のガイダンスを通して、「博士の道は一つではない」ことを知ることができた。まずは自身の専門分野を深めるだけでなく異分野にも興味を示すことで、興味の幅を広げ、自分なりの可能性を探していくことが、キャリア形成の第一歩なのだと感じた。

 

 

星野真生(ほしのまき)

(筑波大学大学院 生命地球科学研究群生命農学学位プログラム 博士後期課程2年)