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株式会社D4cプレミアム 5DAYSインターンシップレポート

2026.10.01

筑波大学 理工情報生命学術院 数理物質科学研究群 数学学位プログラム

博士後期課程2年 鶴巻敬史

【はじめに】

私は、2026年9月7日(月)から9月11日(金)までの5日間、株式会社D4cプレミアム様の「5DAYSインターンシップ」に参加しました。株式会社D4cプレミアムは、データサイエンス・データエンジニアリングを専門とする企業で、マーケティング、金融、ライフサイエンス、医療など、幅広い分野の課題解決にデータ分析を活用したサービスを提供している点が特徴です。また、教育制度も充実しており、特に「ノウハウプレゼン大会」という、自身が身につけたスキルや知識を社内で共有する場が設けられていることも大きな特徴です。

本レポートでは、インターンシップへの参加を通じて経験したことや、そこから得られた気づき・感想などを、ざっくばらんにご紹介したいと思います。

【本インターンシップに参加したきっかけ】

私が株式会社D4cプレミアムを知ったきっかけは、2026年6月26日(金)にBHE主催で開催された、「博士後期課程向け キャリア開発交流会2026」でした。このイベントでは、博士の就職活動やキャリアデザインに関する短いガイダンスを受けた後、参加企業の紹介が行われました。その後は、軽食や飲み物をいただきながら、博士学生、企業の方々、キャリア支援担当の職員の方々が自由に交流する時間が設けられており、その中で株式会社D4cプレミアムを知りました。

私は博士後期課程1年のときから、いろいろなキャリアイベントに積極的に参加し、自分の研究分野に限らず、異分野のことも触れてきました。その過程で、自身の数学の専門性や、研究活動を通じて培った分析的な考え方が、データ分析の分野にも活かせる可能性があるのではないかと考えるようになり、データサイエンスにも興味を持つようになりました。

交流会では、株式会社D4cプレミアムの採用担当の方に自分から声をかけ、数学がデータサイエンスにどのように活かされているのか、などについてお話を伺いました。その際に、5DAYSインターンシップについてもご案内いただきました。

それまで企業のインターンシップに参加した経験がなかったため不安もありましたが、「一つでもいいからインターンシップに出てみたい」「普段の研究活動では経験できないような、ビジネスにおけるデータサイエンスを実際に経験してみたい」という思いから、勇気を出して応募しました。その後、インターンシップの面接を経て、ご縁があり今回参加することになりました。

【インターンシップスケジュール】

5日間の大まかなスケジュールは、以下の通りでした。

・1日目:自己紹介、講義、個人でのデータ分析

・2日目・3日目:個人でのデータ分析、講義

・4日目:グループ内での分析結果の共有、講義、プレゼン資料作成

・5日目:グループ発表

本インターンシップで与えられた課題は、あるカフェ事業会社において「売上高は伸びている一方で、営業利益は低下している」という設定のもと、与えられた既存データを分析し、今後の新規出店に向けた提言を行うというものでした。

1日目から3日目までは個人でデータ分析に取り組み、4日目にはグループに分かれて、それぞれの分析結果や着眼点を共有しました。その後、グループとしての提言をまとめ、5日目の発表に向けたプレゼン資料を作成し、最終日に成果発表を行いました。

また、それぞれの日の終わりには「デイリーレポート」を作成し、その日に行った分析や考えたこと、講師の方に相談したいことなどを自由に記入しました。その内容に対して講師の方から丁寧なフィードバックをいただき、分析の着眼点を評価していただいたほか、データサイエンスに関する知識や今後の分析の方向性についてもアドバイスをいただきました。

データ分析を行っている時間には講師の方が近くにいてくださり、疑問点があれば自由に質問することができました。そのため、分からないことや、自分の分析の方向性が適切かどうかなど、随時相談しながら進めることができました。

さらに、1日目から4日目には講師の方による講義があり、「データサイエンス概論」「探索的データ分析の基礎」「データサイエンスによる企業の意思決定」「生成AI活用」「データサイエンスにおけるプレゼンテーション」などについて学びました。

昼休みには、参加者や講師の方々と一緒にお弁当をいただきました。講師の方が実際にどのような業務に取り組まれているのかを伺ったり、他の参加者の研究内容や就職活動について話したりするなど、交流の時間も楽しむことができました。また休憩時間には、部屋に置かれていたデータサイエンス関連の書籍を読んだり、参加者同士で話したりして過ごしました。

【実際のインターンシップでは】

参加者の中には、私を含め「アカデミアとビジネスの違いを学びたい」という目的を持って参加している方が多くいました。インターンシップ初日には、担当者の方から「限られた時間の中でいかに成果を出すかを意識してほしい」というお話がありました。その言葉を意識しながら、5日間の課題に取り組みました。

本インターンシップでは、ExcelまたはPythonを用いてデータ分析に取り組むことができました。私はインターンシップに参加するまでPythonを使用した経験がありませんでしたが、事前学習コンテンツではPythonの基本的な操作方法について詳しく解説していただきました。Excelを使って課題に取り組むこともできましたが、せっかくの機会なので新しいことに挑戦してみようと思い、Pythonを選択しました。

実際の分析では、生成AIも活用しながらコードを作成・修正し、試行錯誤しながらデータ分析を進めていきました。初めて扱うツールということもあり苦戦する場面も多かったですが、自分でコードを動かし、その結果を確認しながら分析を進めていく経験は非常に新鮮でした。他の参加者の進捗や分析内容を見ていると、分析方法や着眼点はまさに十人十色でした。中には非常に速いペースで分析を進めている方もおり、「自分は追いつけるだろうか」と焦りを感じることもありました。しかし、まずは自分にできることを一つずつ進めていこうと考えを切り替え、分析に取り組みました。

自分のデータ分析に対する理解や分析の方向性が適切であるかを確認する意味も含め、私は積極的に講師の方へ質問するようにしていました。特に、売上高が年月の経過とともにどのように変化しているのかに着目しており、講師の方とお話をする中で、「特徴量ドリフト」という概念について知りました。これは、時間の経過などによってデータの特徴量の分布が変化する現象であり、予測モデルを運用する上でも重要な考え方の一つです。時間の制約もあり、年月の変化に焦点を当てた分析を十分に行うことはできませんでしたが、最終的には分析に使用する特徴量を選択し、売上高や投資対効果に関する予測モデルを作成するなど、限られた時間の中で試行錯誤しながら分析を進めました。

グループワークおよび最終発表では、店舗面積に着目した分析や、最寄り駅利用者数・最寄り駅からの時間といった立地条件に着目した分析など、参加者によってさまざまなアイデアが出されました。同じデータを見ていても、人によって着眼点や分析方法が異なることが非常に興味深く、そのような多様なアイデアを聞く時間がとても楽しく感じました。

【インターンシップを振り返って】

今回のインターンシップを通じて、データサイエンスは非常に奥が深い分野であると感じました。重回帰分析やクラスター分析、機械学習など、さまざまな分析手法が存在し、それらを単に用いるだけではなく、目的やデータの性質に応じて適切な方法を選択することの重要性を学びました。

一方で、時間の制約が非常に厳しく、「もっとデータ分析を進めたかった」というのが正直な感想でした。しかし、ビジネスでは納期が存在し、限られた時間の中でいかに成果を出すかが求められます。今回の経験を通じて、その難しさを実感するとともに、企業で働く際には、アカデミアとは異なる時間感覚や成果の出し方を意識する必要があると感じました。

また、私が研究している純粋数学では、厳密な定義や論理に基づいて一つの結論を導くことを重視します。一方で、今回経験したビジネスにおけるデータ分析では、同じデータからでも着眼点によって複数の妥当な解釈や提案が生まれることがあり、限られた情報や時間の中で、どのような根拠をもとに意思決定につながる提案を行うかが重要であると感じました。この違いを実際の課題を通じて体験できたことは、大きな学びの一つでした。さらに、実際に意思決定を行うためには、データ分析の結果だけでなく、市場動向や業界の状況などについても把握する必要があり、データサイエンス以外にも幅広い知識や視点が求められると感じました。

私は統計学や機械学習についてはまだ初心者であり、インターンシップへの参加に向けて事前に勉強を進めていましたが、実際に課題に取り組む中では難しさを感じることも多くありました。その一方で、「もっとデータサイエンスについて学びたい」という気持ちも強くなり、データサイエンス事業に対する意欲がさらに高まりました。

最後に、インターンシップ担当の方や講師の方々には、5日間を通して優しく丁寧に接していただき、分からないことについても気軽に質問できる環境を作っていただきました。そのおかげで、アカデミアだけでは得にくい貴重な学びを得ることができました。

また、参加者の皆様とも、分析やグループワーク、休憩時間などを通じて、さまざまなお話をすることができました。こうした交流も含め、初めての企業インターンシップではありましたが、非常に楽しく、有意義な5日間を過ごすことができました。この場をお借りして、改めて感謝申し上げます。

【これからインターンシップに参加する方へ・参加を迷っている方へ】

この項目では、あくまで私自身の経験を通じて感じたことになりますが、これからインターンシップに参加する方や、参加を迷っている方の参考になれば幸いです。

「自分がインターンシップに参加して、本当に周りについていけるのだろうか」と不安を感じている方も多いと思います。私自身も、参加する前には同じような不安を抱えていました。

しかし、インターンシップには、その分野を専門としている人だけでなく、異なる分野を研究している人や、これまでその業界に深く関わってこなかった人も参加しています。今回のインターンシップでも、事前学習の機会が用意されており、分からないことがあれば講師の方々に気軽に質問することができました。そのため、専門外の分野であっても、学びながら課題に取り組むことができると感じました。

これからインターンシップに参加する方には、事前学習の機会があればぜひ活用し、分からないことがあれば積極的に質問してみてほしいと思います。また、周囲の参加者と進捗や知識量を比べすぎず、自分なりの着眼点を大切にしながら、一つずつ取り組んでいくことも重要だと感じました。インターンシップでは、課題に取り組むことだけでなく、企業の方や他の参加者との交流から得られる学びも多くあります。そのため、必要以上に不安にならず、自分なりに楽しみながら取り組んでみてほしいです。

また、参加を迷っている方にとっては、インターンシップへの参加そのものが、自分の専門分野とは異なる世界を知るきっかけになると思います。アカデミアにいるだけでは得にくい考え方や気づきに触れられるだけでなく、企業の方や他大学の学生など、さまざまな方と交流する機会にもなります。私自身、今回のインターンシップを通じて、データサイエンスについて学ぶだけでなく、企業で働くことや、自身の今後のキャリアについて考えるきっかけを得ることができました。

研究との両立は決して簡単ではないと思いますが、少しでも興味のあるインターンシップがあれば、ぜひ一歩を踏み出して参加してみてほしいと思います。

 

【D4cプレミアム株式会社からのコメント】
鶴巻さんには、限られた時間内で既存データの分析から新規出店に向けた提言までを行うという、実践的かつ難易度の高い課題に取り組んでいただきました。未経験のPythonに果敢に挑戦し、単にツールやAIに頼るのではなく「自ら着実に理解しながら進めよう」とする高い学習意欲が大変印象的でした。

特に分析プロセスにおける着眼点のセンスには素晴らしいものがありました。時系列でのデータの変化に気づき、実務でも極めて重要な「特徴量ドリフト」の概念に自ら辿り着いた点や、重回帰モデルを構築する際に変数を絞り込んでビジネス上の「解釈性」を追求した点は、データサイエンティストとしての確かな素養を感じさせました。

本課題を通じて、純粋数学における厳密なアプローチと、ビジネス現場で求められる「限られた情報と納期の中で最適解を導き出す」アプローチの違いに直面されたかと思います。その中でも柔軟に思考を切り替え、最後まで走り切った遂行力は高く評価しています。また、成果発表での誠実な質疑応答や、周囲を巻き込むコミュニケーション能力には、実際のビジネスシーンでも不可欠な信頼性を感じました。

今回のインターンシップで肌で感じたアカデミアとビジネスの違い、そしてデータ分析の奥深さが、今後のさらなる探求や、広くキャリアを描く上での大きな糧となることを期待しています。