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筑波大学の研究室紹介
【人工生命・ウェブサイエンス研究室】「データはあるが、活用方法がわからない」という企業は必見! ―人工生命・ウェブサイエンス研究室―
2022.04.06

人工生命・ウェブサイエンス研究室(岡研)
担当教員: 岡 瑞起 准教授 ※上写真:卒業式の日 ゼミでの集合写真
Site: https://websci.cs.tsukuba.ac.jp/
ウェブサイエンスや人工生命技術を使ったソーシャルデータ・コミュニケーションデータの利活用に関する研究を行っている。具体的には、(1)数理モデルや統計物理モデルを駆使して人間の社会行動をソーシャルメディアのデータを用いてモデリングし、その全体的性質や振る舞いを再現・発見。(2)統計処理、機械学習、進化計算手法を駆使し、インターネットやソーシャルメディアの進化メカニズムの解明。(3)人間と機械がインタラクトし、共に学習・共進化していく過程をとらえ、人間の創造性をより高めるような技術の開発などの研究を行っている。

【博士インタビュー】
システム情報工学研究科コンピュータサイエンス専攻 齋藤さん(右)
社会人博士課程 星野さん(左)
Q:研究室に入ったきっかけをお教えください。
齋藤さん:わりと感覚的に選んだところがあります。強いて言うと研究内容ややることに、自分の裁量でもやれそうというところが大きかったかなと考えています。研究をやってみて楽しいと思い、続けたということが大きかったです。
星野さん:AI関係の会社を立ち上げていて、AIの最新の研究の動向について理解しておきたいことと、起業しているとどうしてもビジネス系の知識に偏ってしまいます。大学だと違う視点の部分からも気づきを得られるので学び直したいと考えました。領域としては、人工知能関係のことを学ぼうとしていましたが、Alife(人工生命)のこと等、研究室に入るまでは知らなかった領域を学べているので非常に面白く刺激的です。
Q:お二人は、それぞれどのような研究をされていますか。
齋藤さん:直近では、ある企業の人の集団イベントのデータを分析し、どのようなメカニズムで活性し、誰が誰に影響を与えて活性するのかを測る数理モデルにデータのフィッティングを行い、どういう人物が集団内で重要な影響を与えているのか(生態学用語でキーストーン)を分析する研究です。
星野さん:一言でいうと、人間と人工知能のハイブリッドですね。何が得意かということをAIに学習させて、人間が得意なことは人間に、AIが得意なことはAIがするように振り分ける研究です。人工知能が不得意な仕事を全部100%人間にさせようとすると難しいですが、例えばその1割くらいを人間に任せることで応用できる範囲が広がるという研究です。
Q:研究がどのように私たちの生活に活かされるかお教えください。
齋藤さん:重要な人物を特定して、その人にアプローチをかけていくことで、その集団を盛り上げていく形になり、集団の中で影響力のある人物が特定できると面白いです。
星野さん:AIにタスクを振り分ける機能があれば、例えばAIには難しい10%を人間が行い、残りをAIに任せることができます。部分的にAIを導入すると、AIを活用できる場所が広がり、生活の中でAIの使用の範囲を広げようとしています。
Q:研究室の雰囲気は、いかがでしょうか。
齋藤さん:息の詰まる感じではなく風通しが良く、自分の好きなことを自由に探究できる雰囲気です。今、人数は10名程で非常に少ない少数精鋭です。企業との共同研究は、依頼先の相手に対して結果を出さなければならないというプレッシャーはありますが、企業の人物のデータを分析できることは楽しいです。
星野さん:岡研究室は外に開けている雰囲気があり、社会人から見ても違和感がなく学べています。共同研究も多く、研究内容は社会との接点が非常に大きく実践的な内容も多いので、アカデミックとビジネスの部分は少しギャップがあるかと思っていましたが、違和感がない感じです。オープンで透明性があり、会社に例えると都内のスタートアップ企業に近い感じです。人数の規模も多すぎるわけではないので、方向性があって議論もしやすい感じです。
Q:研究室外での国内外の交流はされていますでしょうか。
星野さん:毎年海外から留学生が数人いて国際交流はあります。留学生の受け入れ体制もあり、国際の学生も入るのでよりグローバルな視点になります。
齋藤さん:友人が立ち上げた分野別交流会で活動をしています。アカデミックよりの交流会で色々な分野の方が集まって一般の社会課題について発表会をして議論する形式です。メリットは色々な考え方を知ることのできる知的欲求という意味で大変面白い交流会です。
Q:企業に向けた研究室のPRをお願いします。
齋藤さん:岡先生はずっとAlife分野の研究を行っています。AI技術は社会に浸透してきましたが、社会が変わっていくことに対応できないのがAIなので、1年後は同じ状況であるかはわからず、使えるかどうかは不安です。一方、生物は変化することで変化する環境に対応してきました。その変化のメカニズムの結果を計算機で解き明かしていこうとすることで、AIを変化させ続けることであったり、その環境への適応をサポートすることとして、僕自身は、既存のIT人材とは異なった観点の考え方で捉えています。
星野さん:企業との共同研究や社会人のリカレント教育向けの受け入れ態勢が整っている研究室です。持っているデータをどのように企業として価値があるものにするかという手法やアイデアをもっている企業はなかなかありません。「データをもっているが活用方法がわからない」企業の方は、岡研究室に声をかけていただければと思います。このようなことができる人材が研究室には揃っています。
Q:企業にアピールしたい博士のスキルは、どのようなものでしょうか。
星野さん:博士後期学生の強みは、データサイエンティストとしての領域でかなり高い能力をもち、企業にある様々なデータを分析して役立つ結果を導き出す能力や専門性が高いです。
齋藤さん:データサイエンティストの能力に通ずるものですが、POC(prove of concept)概念実証というのが重要な概念となります。データが役に立つかどうかの実証実験がとても重要な部分で、そしてウェブマーケティングのスキルをもっていることをアピールしたいです。
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