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さやっぽ!担当者のあれこれコラム

【コラム ~研究室の選び方~】

2025.03.31

大学での学びの醍醐味は、やはり「研究」です。

大学では各分野で専門的な「研究」を行って成果を学位論文にまとめ、合格となることで初めて学位が授与されます。

 

研究では、専門的な知識を身に着け研究業績を挙げるだけでなく、論理的思考力、自主性、課題解決力など様々な能力が身に付くので、研究経験は民間企業からアカデミアまで、どのようなキャリアに進む上でも重要だと考えています。

 

しかし、各分野の中でも多様な研究が、多様な研究室、多様な研究スタイルで行われており、研究室と学生の間にも、マッチングする・しないが分かれる場合もあります。

 

今回は、生命農学博士2年の野村が、研究室選びの一般論と、自分の経験談をお伝えします!

特に、研究室配属前の学生や、これから研究室を変えようと考えている大学院生などに生きれば嬉しいです!

なお、ここでは「学類生が研究室を選ぶ」という目線で場合について解説します。

 

【研究室とは】

学生にとっての研究室とは、「指導教員から指導を受けながら研究を行う場」です。研究室によって教員の数にはばらつきがあります。筑波大学の場合は基本的に、「卒業研究」などの授業科目として、自分の学類に属している教員に研究指導をお願いします。

 

【そもそも、研究室を選べる状態にしておくために】

例えば生物資源学類の場合、各研究室が受け入れる学生の数には定員があり、配属希望者が多く定員オーバーした場合には、その教員の基準で研究室受け入れの可否が決定する決まりとなっています。

 

一般的には、成績点平均(GPA)で決まるケースが多いですが、その教員が開講する授業成績だけで決まるケースもあります。例えばGPAが4.0 (全科目Aに相当)で学年2番でも、その教員の授業成績がCだった場合には落ちた例を僕は知っています。

 

教員によって基準が異なるので、興味のある研究室があれば早めに(できれば大学1,2年生のうちから)見学に行き、基準についてよく調べておき、その基準を満たすように心がけてください。

【研究室をどう選ぶか】

さて本題です。どの研究室にも行けるとして、どう選ぶべきでしょう。いろんな軸があるかと思います。

 

  • 興味のある研究ができるか

せっかく授業料を払っているので、本気で取り組むことのできる研究テーマを考えてみましょう。テーマでなくとも、まずは気になるキーワード(例:微生物)をざっくり考えるだけでも構いません。続いて、そのキーワードについて研究してそうな研究室を訪問してみて、研究室のこれまでの研究と、実際に配属した場合の研究テーマについて聞いてみましょう。注意点として、毎年の研究室の教員の出入りや、現在配属されている学生の数や研究テーマのバランスなどによって、新規の学生ができる研究テーマは限られる場合もあるので、配属までにできるだけ詳細に確認することをお勧めします。

 

  • 研究室の獲得している研究費

あくまでも学生目線での話です。一般論として、研究室の研究費が潤沢だと、高額な機器・試薬も使用できるため研究の自由度が高く、また外部委託による解析も積極的に行えるので、研究の進捗も早くなります。より多く論文や学会発表の実績を積みたい場合は重要な観点でしょう。しかし、研究費の大小に関わらず、面白い研究をしている研究室はたくさんあるので、①で述べた「自分の興味」とのバランスで考える事も大事だと思います。

 

  • 研究室の教員の数、学生の数

学生に対して教員の数が多いほど、学生は教員とより長く討論する事ができ、スムーズに研究を進める事ができます。学生の数も同様に、自分の研究の助けになりますし、就活の話などを聞ける人が多い、というのも大きいです。

 

  • 研究室のコアタイム

コアタイムとは、「この時間帯は研究室にいよう」という研究室内の取り決めのことです。教員が決めるケースもあれば、学生が決めるケースもあります。コアタイムがあるメリットとしては、「この時間帯ならば確実に先生や学生と討論できる」点です。研究で問題が生じたときすぐに解決できるので、僕個人としてはこちらの方が好みです。会社などに入っても就業時間が決まってるケースが多いですし、学生のうちに慣れるのも大切です。ただ、在宅の方が集中できる、早朝、夜の方が研究に集中できる、という人も中にはいるでしょう。もしも柔軟な時間帯で研究を進めたい場合はコアタイムが無い方がいいのかもしれません。

 

  • 研究室のゼミの頻度

ゼミとは、研究室で定期的に行われる「研究進捗の報告会」です。ゼミの存在は、定期的に進捗を生まなければならない、というプレッシャーを感じる面も確かにありますが、研究について他人と深く討論できるため、研究の進展にも重要ですし、良い学びの機会になります。個人的な体験談ですが、ゼミで深く討論してきたことで、学会発表の方が楽に感じた、という場面が何回もあります。

ゼミの頻度は研究室によります。頻度が低いと、間違った方向の研究が進むリスクがありますし、逆にあまりにも頻度が高いと、話してばかりで自分で落ち着いて実験・調査する時間が無くなるということもあるでしょう。まあ自分にあった頻度は実際に研究してみないとわからない面も多いですが…。

 

  • 就活に理解のある研究室か

就活で研究室を休みがちになる事を歓迎しない研究室もあると聞きます。確かに、研究室で研究する事は「単位」としてみなされている学生の本分で、仮に研究が十分に進捗せず十分な質の学士論文・修士論文などが書けなければ修了できません。一方で、学生にも自由に就活をする権利は当然あります。どこまで研究の時間を削って就活できるか、その許されるラインは指導教員によるので、研究室に入る前から確認しておきましょう。研究室に入った後、仮に就活をする事で嫌がらせを受ける、あるいは研究を多忙にさせるために学会参加、論文執筆を強要する、などのパワハラを受けた場合は、大学の相談窓口にしっかり相談しましょう。

 

  • 論文(科学雑誌に投稿する査読付き論文)を書けるか

特に博士進学する人にとっては、早い段階から論文の実績があると学振特別研究員などその先のキャリアに繋がりやすいので、気にすべき事です。修士で出る場合でも、論文実績は研究能力を示す一つのエピソードになって就活でも当然有利なので(その論文における貢献度も重要です)、書けるならば論文は書いた方がいいです。しかし、特許を多く出したい研究室の場合は、論文にすると特許がとれないため、まず特許を出してから論文を出す流れになり、論文化が遅れたりします。特に修士までで論文実績を積みたい方は意識するといいでしょう。

 

  • 教員、学生の人柄

むしろ一番大事かもしれません。私の場合、研究テーマだけで選んだ結果、結果的に人柄の良い教員や学生に恵まれた、という感じで、幸運だっただけなのかもしれません。研究室によっては、競争が激しすぎて学生同士の仲が悪かったり、教員との距離感が遠すぎたり、活発にコミュニケーションをとる事が難しい例もあるとよく聞きます。この点は、研究室に実際に見学に行き、学生や教員によく話を聞くとだいたいわかるので、必ず確認してください。

 

以上の観点が、あなたの後悔しない研究室選びに繋がれば幸いです。

よい研究室ライフを!

 

文責 野村 佳祐(生命農学学位プログラム博士後期課程2年)