TOPICS
イベントのまとめと感想
【未来の博士フェス2025】レポート No.1
2025.10.01
2025年9月4日(木)に開催された
未来の博士フェス2025~知の挑戦者たちへー未来を拓く博士の力~ で
ポスター発表に参加した方のレポートです。
人間総合化学学術院人間総合科学研究群医学学位プログラム1年
岡村 ケイクシャーン
始めに
2025年9月4日、一橋大学一橋講堂で開催された「未来の博士フェス2025」に参加させていただきました。今回のテーマは 「知の挑戦者たちへ、未来を拓く博士のちから」。博士課程に在籍する学生として、自分自身の研究を発表し、また他分野の博士学生や企業の方々と交流できる貴重な機会となりました。本レポートでは、イベント全体の流れや学んだこと、そして博士課程に在籍する自分にとっての意義を振り返りたいと思います。
開会の挨拶とメッセージ
会の冒頭では来賓の方々からの挨拶がありました。その中で繰り返し強調されていたのは、博士人材が社会においてますます求められているということです。研究の専門性はもちろんのこと、博士課程を通じて培われる「問題を見つける力」「論理的に考える力」「粘り強く取り組む姿勢」は、社会のどの分野においても価値があるというメッセージが印象に残りました。博士課程の学生として日々研究に向き合う中で、時に先が見えなくなることもありますが、こうしたエールは大きな励みになりました。
博士学生によるショートプレゼンテーション
次に行われたのは博士学生によるショートプレゼンテーションでした。発表内容は非常に多岐にわたり、気候変動や気象制御のELSI(倫理・法・社会的課題)から、都市計画、基礎生物学の研究、さらにはムカデの生態研究まで、本当に幅広いテーマが並びました。
普段は医学系の学会や研究会での発表が中心のため、これまで異分野の研究に触れる機会は滅多にありませんでした。自分の研究領域と全く異なる分野でも、共通する研究姿勢や問題意識があることに気づき、とても新鮮でした。
博士を大事にする企業ピッチコンテスト
続いて行われたのは、博士人材を積極的に採用・活用している企業によるピッチコンテストです。各社が短い時間で自社の事業や博士人材への期待を語り、熱量のこもった発表が続きました。
ここで改めて感じたのは、「博士=研究職」という固定観念がもはや過去のものになりつつあるということです。博士の専門性を活かす場は企業研究所だけでなく、事業開発、コンサルティング、政策立案など多方面に広がっていることを知りました。博士課程で得られるスキルは、思った以上に社会に直結しているのだと再認識しました。
パネルディスカッション「博士人材のキャリア」
午後に行われたパネルディスカッションでは、産・学・官それぞれの立場から博士人材のキャリアについて議論が交わされました。研究に専念したいという希望だけでなく、柔軟にキャリアを組み立てる必要性、さらには博士自身が自分の強みを言語化し、社会に伝えていく重要性が語られました。これまでの研究活動を通じて自然に身につけてきたスキルが、キャリア形成において強みになると改めて気づかされました。
ポスターセッションでの体験
私自身もポスター発表を行いました。研究内容は「インフルエンザウイルス感染後に肺炎球菌が引き起こす二次感染の仕組み」に関するものです。専門外の参加者にどこまで伝わるか不安でしたが、実際には多くの方から質問や意見をいただきました。
「基礎研究が将来的に臨床や社会にどうつながるのか」という視点でコメントをいただけたのは、とても新鮮でした。普段は同じ領域の専門家との議論が中心ですが、こうした多様なバックグラウンドの人たちとの対話は、自分の研究をより広い視点で捉えるきっかけになりました。
また、自分のポスターを見に来てくださった方々からは、「この研究が社会に与えるインパクト」を意識する重要性を指摘されました。これは今後研究を進める上でも意識していきたい点です。
会場全体を通して感じたのは、参加者全員が「学ぶ姿勢」と「好奇心」に満ちていたことです。立ち止まって発表を聞く学生、質問をする企業人、熱心にメモを取る教授…その一体感が、場全体を活気に満ちた空間にしていました。私はその熱気に触れ、自分も研究に向き合うモチベーションがさらに高まりました。
他の学生の研究・企業ブースとの交流
ポスター発表の合間には、他の学生のポスターを見て回りました。分野が異なっても、研究に真剣に取り組む姿勢や熱量は共通していて、とても刺激を受けました。特に、工学系や情報学系の研究が医療分野と結びつく可能性を感じられたのは、今後の共同研究のヒントにもなりそうです。
企業ブースでも担当者の方と直接話すことができました。博士人材に求められるスキルや、博士課程で培った経験をどのように社会で活かせるかについて具体的な情報を得ることができました。特にキャリア相談サービス「アカリク」を紹介していただき、D1としてキャリアを考え始めた今の自分にとって非常に参考になりました。
おわりに
今回の「未来の博士フェス2025」への参加を通じて、博士課程の研究がいかに社会とつながっているかを実感しました。自分の研究に誇りを持つと同時に、それをどう社会に還元していくかを考えるきっかけになりました。
また、分野を超えた交流は新しい視点を与えてくれて、研究のモチベーションを高める大きな力となりました。博士課程の学びや経験は決して狭い世界に閉じているのではなく、むしろ社会に広く役立てる可能性を秘めていることを実感しました。
来年もぜひ参加し、さらに多くの出会いや学びを得たいと思います。博士課程に在籍する多くの学生にとって、このイベントは自分の可能性を広げる場になると確信しています。

|
Prev |
トピックス一覧に戻る |
Next |