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イベントのまとめと感想
博士後期課程向け キャリア開発ガイダンス2025 レポート
2025.05.14
【博士後期課程向け キャリア開発ガイダンス2025!】
筑波大学BHEキャリア支援チームでは、本学の博士学生・博士研究員向けにキャリア開発を支援するイベントを多数開催しています!
今回は、2025年5月8日にオンラインにて開催された、「博士人材向けキャリア開発ガイダンス」について、現役博士学生である野村がレポートします!
本イベントは、「博士人材キャリア支援 特別アンバサダー」の講師による博士の就活・キャリアデザインに関する講座があり、講師に自由に質問できる会です。博士の就活を知り、計画を立てる上での最初の一歩にはとても良い情報収集の機会だったと思います。
全体の感想としては、D1以下には特に役立つ内容で、かつ大手企業への就活を間近に控えるD2にとっても就活の非常に参考になるものでした。以下、ポイントをまとめてレポートします!
【1.アカデミアだけではない!博士のキャリアパスは多様!】
博士の進路といえば、大学・研究機関でゆくゆくは大学教員・研究員を目指して教育・研究するに限る・・・と一般には思われがちですが、実は進路も職種も多様です。
例:官公庁、民間企業、高専教員、非研究職(教育、研究支援、URA、経営、投資、技術営業、コンサルタント、・・・・)、ベンチャー社員・起業、ベンチャーキャピタリスト(技術の目利きと事業投資)
高専教員、という視点は意外と盲点なんじゃないかと思います。最終的に研究も教育も頑張る大学教員を目指して教育・研究経験を積みたいなら、注目すべき進路だと思います。
博士compassというサイトを見ると、博士卒の多様なキャリアのモデルケースが紹介されています!
【2.企業への就職を目指すなら、企業側が博士人材に期待するものを理解しよう!】
<企業が博士に期待する能力>
・高い専門性と、それを獲得した経験
・自分の専門にこだわりすぎず他分野へ興味・関心を持つ広い視野
・研究開発プロセスに対する理解と応用
・的確に課題を抽出する課題設定力
・論理的な思考に基づく課題解決
・チームを動かすリーダーシップ
・グローバルに競争・共創可能な国際性
・研究と社会を繋げる力
以上のような能力を活用する事で、新しい何かを生み出し、組織の中核を担う人材となることが期待されているそうです!エントリーシートや面接でしっかりアピールする事が大事ですね!
【3.企業の博士の採用活動の時期は多様!】
企業の学士・修士向けの採用活動の多くは政府から要請された時期に行っていますが、博士向けのものに関しては特に政府から要請は無く、自由となっています。D2の6月から早いものだと選考が始まる企業もあるので(早すぎる?)、可能であればD1の段階から就活する業界を絞り込むために説明会やインターンシップへ参加するべきですね!
そして、企業理解をさらに深める、または興味のある企業に自分を長い時間で理解してもらうには、数か月の中長期インターンシップがあります。ただ、博士の中には(私自身もそうですが)、投稿論文が無いなど、修了要件を満たしていない状態で就活を迎える人も多いので、難しい人も多いと思います。自由に研究できる博士の貴重な時間を数か月消費してしまうわけですから、各々の天秤で慎重に決める必要があると思います。
【4.アカデミアのパーマネント(常勤)職になるために】
企業が欲しているとはいえ、やはり多くの博士人材は、(比較的)自由に研究できる場に身を置きたいと考える人も多く、アカデミア(大学・国立研究開発法人などの民間以外の研究機関)の常勤職を目指す場合もあるでしょう。
特に大学の場合、教授、准教授、助教の常勤職を目指す上では、講義を持ち学生を指導した「教育経験」が問われるケースが多く、ポストドクターとして研究経験を積むだけでは進めない場合もあるそうです。その場合には、特任助教や非常勤講師など、研究に加え教育経験も積むことができるポストを狙う必要があります。
アカデミアのポジションは、JST(科学技術振興機構)が運営しているJREC-IN Portalという求人サイトで探すことができます。
【5.多様なキャリアとマッチングさせるために】
多様なキャリアパスとマッチングする可能性を増やし、キャリアを拡張するにはどうしたらいいでしょう。
例えば、100人に1人が持つスキルを持っている人が、さらにもう一つの100人に1人のスキルを持っていれば、極端な場合「10000人に1人の人」という事になり、人材としての価値は高まります。さらに、そのスキルの守備範囲(応用可能な範囲)が広ければ、それだけ人材を求める側とのマッチングの可能性も広がります。
様々な経験・スキルがあれば、それが研究と直接関連しなかったとしても、思った以上に評価されるといいます。本業の研究能力+αを目指して、新しい経験を積む事や変化を恐れない事が大事です。
【6.就活に囚われて、研究する事を止めないで!】
研究開発力が博士人材最大の魅力なので、その能力を伸ばす事は止めるべきではない。
かといって、全く就活しないのは将来を考えてリスクが大きすぎる。
おすすめされたのは「週1~2時間でいいので、キャリアについて考える時間、就活する時間をとること」
そうすると、
2時間x 52週 =年間104時間
(博士1年から博士2年の秋までに約160時間。8時間x 20日分)
約3週間、研究室に行かずに就活に集中する時間を作る事と同義になるので、自分のキャリアパスの解像度が十分高まるだろう、とのことでした。
【7.企業への就活の際、博士人材が、同年代の学部卒・修士卒の人材と差別化して自己PRするには…?】
多くの人材・企業を知る深澤さん曰く、単純な「(その企業における)研究力」という一点においては、差別化する事は難しいといいます。ただ、「経験の幅」は博士人材の方が広いのではないか、とのことでした。
・研究室運営、グループでの研究のマネジメント能力
・学会・セミナーでの多様な人材とのディスカッション能力
・博士論文審査会など、強いプレッシャーをかけられる場面で「個」で勝負して乗り切る、粘り強さ
しかも、「幅」だけでなく、それぞれのスキルの「練度」、「質」も高いので、それらを企業での業務にうまくリンクさせることができれば、差別化できる点は多そうです。
末筆として、志す進路によらず、将来を考える時間というのは必要、と改めて思いました。
研究とバランスをとって就活できるよう、博士の学生側にもある程度の努力は求められるかもしれません。
野村佳祐(筑波大学大学院 生命地球科学研究群生命農学学位プログラム 博士後期課程3年)
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