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筑波大学の研究室紹介

【微生物機能利用学研究室】目に見えない”人の社会”⁉―大きな可能性を秘めた、微生物の神秘的な生態を探る―

2021.12.24

野村暢彦研究室 (微生物機能利用学研究室)

担当教員: 野村 暢彦教授、アンドリュー.S.ウタダ准教授、久能 樹准教授、豊福 雅典准教授

Site: https://www.u.tsukuba.ac.jp/~nomura.nobuhiko.ge/

約38億年の歴史を有する微生物の神秘的な生態を通して、生命の根元を探ることを目的とする研究室。微生物が集団として働くときに発揮する特徴的な機能を解析・活用することで、微生物制御法の確立や病原細菌による感染症の予防・治療などを目指している(キーワード「微生物間相互作用」「バイオフィルム」)。また、こうした先進的な研究成果は、教員・学生の如何にかかわらず学術誌論文や口頭発表を通して積極的に公表している。研究面だけではなく、「挨拶」や「コミュニケーション」など人として当たり前のことを当たり前にやることによって、高い研究力と実績・風通しの良い環境が支えられている点も、この研究室の特筆すべき点である。

生命地球科学研究群 生命農学学位プログラム
博士後期課程1年 高橋晃平さん
(写真右)





卒業した同期と、シンポジウムで再会した様子

Q:研究室に入ったきっかけは何ですか?

高橋さん:私は長岡高専から生物資源学類に3年次編入しました。もともとは土木工学や環境工学を勉強していたのですが、勉強していくうちに、地球環境に微生物が関わることに気づき、微生物に興味を持ち始めました。進路を決めるときに、高専の先生から「大学に行って微生物を研究するなら野村先生のところがいいよ」と勧められたご縁で、現在の研究室に行くことを決めました。また、事前に研究室のことを調べてみると、研究資金が豊富であり、評価の高い業績もあって……何より先輩方が輝いていたことが一番の魅力でした。

Q:どんな研究をしていますか?また生活の中でどのようにそれが活かされていると感じますか?

高橋さん:微生物の生態を探る研究です。目で見えない生物―微生物―は、地球上どこにでも存在します。この微生物は、私たちが一般的に持っている想像とは違って、個人として活動するよりも集団として活動するときに力を発揮します。面白いことに、微生物集団の振る舞いは人間集団の振る舞い(人の社会)に似ているところがあります。例えば、人はコミュニケーションをとることで街や大学を運営するわけですが、微生物も同じように、コミュニケーションすることで様々な機能を制御しながら微生物集団を運営します。目に見えない微生物も、我々人がとるように集団行動するため、微生物社会で起こることを人の社会に落とし込んで物事を捉えられることは非常に面白いですし、こうした考え方は生活にも活かされている気がします。

Q:研究室はどんなところですか?

高橋さん:野村研究室は「挨拶」や「ほう・れん・そう」など社会的に当たり前のことを当たり前に求められます。一方で、テーマ決めやセミナーへの参加など、学生に主体性を持って研究活動をさせてくれる自由さもあります。それが僕の肌に合っていて、研究を楽しみながら人生も楽しむことができる環境です。そして何より、野村先生から言われた「最初は研究が楽しいと感じないかもしれないけど、楽しめるように工夫しなさい」という言葉が研究生活において重要だと感じています。そういった意味でも、野村研究室を選択したことは人生の選択の中で最良の一つだと思っています。

Q:研究室外での交流はありますか?

高橋さん:もちろん高校・大学時代の友達と呑みに行くなど交流はあります。それに加えて、私は研究室のOBOGと呑みに行く機会も多いですね。野村研究室は基本的に修士で卒業する人が多いので、10名程いた研究室の同期は現在、卒業して働いています。そんな同期や先輩と研究室時代の昔話や今の社会人生活について話すことがあり、これはすごく楽しく勉強になります。ご縁も含めて人との交流はこれからも大切にしていきたいですね。

Q:博士後期課程学生の強みを教えてください。

高橋さん:私自身の強みは、「コミュニケーション能力」だと思います―この強みは人数が多く、連絡を頻繁にする野村研究室にいたから鍛えられたと思いますが。しかし、博士後期課程学生は一般的にはコミュニケーション能力はそこまで高くないと思うので、私自身の強みだと思います。ただ、博士後期課程学生全体として考えると、学問分野のスペシャリストであること、すなわち希少価値が強みになると思います。知識の深さや研究遂行能力という意味では、学部や修士までと比べられないくらい深いものになっているのではないでしょうか。それに、年齢的なプレッシャーも加わってくるので、メンタルも強くなっているかもしれませんね。

Q:今後のキャリアパスについてどのように考えていますか?

高橋さん:私は大学進学のときに自分の人生を研究に賭けたと思っています。だから、博士課程まで進むことに迷いはありませんでしたし、今でも研究者として生きることを考えています。先日採択されたフェローシップを利用して2022年の1月からスイスの研究所に留学することが決まっていますが、将来的にはそこで研究を続けられたらいいなと。大学の先生も考えてはいますが狭き門なので、正直これもご縁があればなれるものだと思っています。だから私は農家や幼稚園の先生になってもいいですし、「どんなものでも楽しむ」そんな野村流のマインドで生きていくつもりです。