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イベントのまとめと感想

研究所(IIIS KEK)バスツアー レポート

2025.11.05

2025年9月30日(木)に、キャリア支援チーム主催イベントの「研究所バスツアー」に参加しました。

午前は「睡眠の謎を解き明かす。筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS)」を、午後は「宇宙の謎を解き明かす。高エネルギー加速器研究機構(KEK)」を訪問しました。

 

【博士】キャリア支援チーム主催:研究所バスツアー – 筑波大学 キャリア支援チーム – 就職支援

 

【筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS)】

午前はIIISを訪問し、柳沢正史機構長のご講演と施設見学を行いました。柳沢機構長のご講演は、どの内容も非常に興味深く、専門外の私にも分かりやすい形でお話しくださいました。

 

まず、睡眠に関するこれまでの研究では、「なぜ睡眠が必要なのか」「眠気の正体とは何か」といった根本的な問いが、実はまだ十分に解明されていないことを伺いました。これは「現代神経科学最大の謎」とされており、IIISではその解明に挑んでいるそうです。また、脳を持たない動物でも睡眠に似た状態が観察されていることから、「睡眠は脳よりも先に発明された」という発見にも驚きました。

このお話しは冒頭にされたのですが、睡眠医科学の面白さにひき込まれました。

 

さらに、世界的な調査で、国民1人当たりのGDPと平均睡眠時間は正の相関関係にあるそうなのですが、日本はGDPが高いにもかかわらず平均睡眠時間が短く、「外れ値」に位置する国であるそうです。また、夜の光の有害性や、平日と休日の睡眠時間に差が生じることによる生活リズムの乱れ(寝だめ)で、心身の不調をきたすソーシャルジェットラグ」などの危険性についてもお話しいただきました。

そのほかにも睡眠に関わる多様なトピックスについてお話しくださり、本当に多くの新たな学びがありました。生きていく上で、心身の健康に欠かせない「睡眠」について、自身の睡眠習慣を見直し、よりよい睡眠環境を整えようと改めて感じました。

 

そして、個人的に印象的だったのが、医学系と芸術系がコラボし、研究所内に芸術作品が多数展示してあったことです。螺旋階段にあるアート作品で、母ブタと子ブタが寄り添って寝ている「すぴー・・・すぴー・・・すびー・・・」や、体内時計をモチーフにしたアート作品「Revolve」など、様々な展示に心を動かされました。

 

【高エネルギー加速器研究機構(KEK)】

午後はKEKを訪問しました。KEKは、加速器と呼ばれる巨大な装置を用いて、宇宙や物質の起源、原子核や素粒子の性質を探る最先端の研究を行っている研究所です。世界的にも有数の加速器研究施設であり、宇宙・物質・生命など多岐にわたる分野で研究が進められています。

 

施設見学では、電子と陽電子を光の速さに近い速度まで加速し衝突させる「SuperKEKB」加速器や、その衝突点に設置された測定器「Belle II」を見学しました。「SuperKEKB」は全長約3キロメートルにも及ぶ円形加速器で、「Belle II」測定器は幅約8m、高さ約8m、重さ約1,400トンという圧倒的なスケールでした。物理学がほとんど分からない私は、その大きさと複雑な構造から、「まるで映画のようだ…」と感じていました。

 

本施設では、電子や陽子など小さな粒子の集団を高いエネルギーに加速し何回も衝突させていますが、実際に衝突が起こるかどうかは「試してみなければ分からない」とのことでした。そのため、24時間稼働・解析しているそうです。また、新物理とはそもそも「あるかないか分からないものを検証する」研究と伺い、莫大な資金や資源を投入し、その未知を探究をすることに、学問的なロマンを感じました。

 

今回のバスツアー全体を通して、異なる分野の研究に触れることができ、大変貴重で有意義な経験となりました。このような貴重な機会を企画・運営してくださったキャリア支援チームの皆さま、および見学を受け入れてくださった各研究所の皆さまに心より感謝申し上げます。

 

筑波大学大学院 人間総合科学学術院

人間総合科学研究群 障害科学学位プログラム

博士後期課程1年 大槻毬萌